アートスフィア灰塚 2000作品ホームステイ

 ■□ 作品ホームステイ*2000
 【日  程】 2000年8月28日(月)〜9月28日(木)
 【場  所】 総領町・三良坂町・吉舎町の一般家庭及び商店など
若手作家、アースワークに関係している作家の美術作品が、
地域の一般家庭や商店などに約1ヶ月間ホームステイします。
 【作  品】 若手現代美術作家による約35点
 【アウトリーチ支援】 ドキュメント2000プロジェクト
 (協賛:松下電器 アサヒビール 資生堂 日産自動車 日本マクドナルド)
 ■□ ホストファミリー
 【三良坂町】 【のぞみが丘】 【吉舎町】 【総領町】
  M1-渡辺銘木店
  M2-ワタナベストア
  M3-田中時計店
  M4-山崎理髪店
  M5-金天鈴酒造
  M6-古野生花
  M7-大迫牛乳店
  M8-泉屋
 N1-湯藤邸
 N2-林邸
 N3-今井邸
 N4-山崎商店
 N5-伊藤邸
 N6-大杉組事務所
 N7-興聖寺
 K1-トラヤ
  (書店)

 K2-JA給油所
 K3-ムネトー
  (パン屋)

 K4-田中写真館
 K5-明覚寺
 S1-デコ
 S2-澤理容院
 S3-酒屋の谷本
 S4-総領石油
 S5-ル・サンク
  (手作りパン)

 S6-和田邸
 ■□ 2000年度出品登録作家(登録番号順に記載)
池田佐智子 荻野僚介 山内崇嗣 窪田久美子 牛島智子 大鹿知子
大野今日子 渡辺曜 伊部年彦 鷹取雅一 福井裕司 上田真生
■□ 作品ホームステイとは?
  設置風景 美術作品は美術館で見るだけのものではありません。美術館では、作品は白い壁にかけられ、ひとつひとつの作品をたくさんの人が見るのに適した展示の仕方がされます。でも、美術作品は作品と見る人の一対一の付き合いもできるはずです。それに、ふだん私達が生活している場所に美術作品があれば、作品をもっとじっくりと見ることができるはずです。
設置風景 作品ホームステイは、美術作品とそんな付き合い方ができる方法を探った結果、生まれた方法です。作品を、個人の家庭やお店、またはみんなが訪ねやすい場所(家の近くの公民館や公共施設)に一定期間預かっていただくことによって、それを預かってくれた方(ホストファミリー)や、その近所の人たちにゆっくりと作品を鑑賞していただくことができます。ホストファミリーになることを御承諾いただいた方には、事前に作品ホームステイに登録されている作品の中から、自分の気になった作品を写真で選んでいただきました。そしてその作品と、約一ヶ月のあいだ一緒に過ごしていただきます。
 預かっていただいた方の中には、他の方に預かっている作品を見せてくれる方がいます。みなさんは美術館とは全く違う様々な環境に展示され、預かってくれた方と一対一の付き合いをしている作品を見て、どのような事をお感じになりますか?
■□ 鑑賞にあたってのお願い
 1. 作品ホームステイでは、美術作品は個人の家庭やお店に飾られています。また、誰にどのような形で作品を見せるかは、ホストファミリーの方にお任せしています。個人宅でホームステイしている作品の中には、公開されていないものもあります。個人宅や商店に展示されている作品を鑑賞される際には、まず、ホストファミリーの方にお声をかけていただき、作品が見たいということをお伝えください。
 2. 公開される時間帯も基本的にはホストファミリーの方にお任せしていますが、個人宅をお訪ねになる場合は、朝10時以降、夕方は5時までとし、それ以外の時間帯は御遠慮ください。
 3. 事務局では、作品の鑑賞できる日時は把握していませんが、どうしても見たい作品がある時には、事前に事務局に御相談下さい。
■□ 作品ホームステイ・コンセプト
 I. 主旨
灰塚アースワークプロジェクトは、既成概念にとらわれない新しい芸術・文化活動を通じ、三つの町にまたがるダム建設にともなう様々な課題に取り組み、町づくりの一端を担ってきました。「作品ホームステイ」は灰塚アースワークプロジェクトにおける芸術文化振興事業の一環として、芸術作品を地域の一般家庭にて、一定期間の展示/保管を行い、街全体を一種の美術館にする試みです。
 II. 実施概要
 (1) 都市部にて活動している若手の芸術家の作品の中で、特に質が高く、先進的と思われるものを集めたデータベースを作り、その芸術家自身が所蔵している作品をデータベースに登録します。事務局では、データベース登録作品のビジュアルカタログを作り、地域で作品の展示/保管の希望者をつのります。
 (2) 展示/保管希望者が決まり次第、スタッフがそのカタログを持って訪問し、登録作品の中から預かっていただく作品を選んでいただきます。展示場所をその御家庭の方と決め、1〜2ヶ月の間、展示及び保管をしてもらいます。その際にその作品の鑑賞のポイントや、保管上の注意点を説明します。展示期間中の作品の公開日をきめてもらい、その日には、各家庭で展示されている作品を外部の方に鑑賞してもらえるようにします。その結果、町全体が美術館として機能しはじめ、展示/保管希望者は、作品のホストファミリーであると同時に、作品の保管とその公開を執り行なう、いわば学芸員となります。
 (3) 事務局では展示してある家や商店のマップを作り、その期間中にツアーなども企画します。また、これらの活動のドキュメンテーションを作り、活動の記録を残していきます。
 III. 目的
 (1) 美術館や都市部の文化施設に作品を見に行くのではなく、作品の方が生活の場所へ赴くことによって、日々の生活の中で作品と接する時間が増え、様々な芸術活動がより身近に感じられるようになります。
 (2) 個人として文化事業に関わってもらうことによって各コミュニティが活性化し、作品を預かっている人どうしのネットワークが形成されることを目指します。また、3町以外からの鑑賞者との交流を深めるきっかけを作ることができます。
 (3) 若手の作家の作品を地域において展示/保管することによって、個人的にはなかなか地域の活動に参加することが難しい作家も、制作活動を続けながら地域振興に関わることが可能となり、様々な人々との交流の機会が広がります。
■□ 手順と今後
 ■ 準備期間
  1) 「データベース」への登録
作品のデータや特徴、ビジュアルなどをのせたデータベースをつくります。このデータベースは年間を通じて登録作品をリサーチし、更新しています。現在95点の作品が登録されています。
2) 「カタログ」作成
データベースの中から、その年の出品可能作品のカタログを作ります。
3) 「ホストファミリー」の公募
随時、「ホストファミリー」希望者を探しています。今回は2000年8月から行われる予定の「アートスフィア灰塚2000」にともなって、広島県の総領町、吉舎町、三良坂町を中心にホストファミリーを探し、募集します。
 ■ 実施期間
4) 滞在作品の決定
ホストファミリー(展示/保管希望者)に、「カタログ」から希望する作品を選んでもらいます。
5) 展示
ホストファミリーは、美術の専門知識を持ったスタッフと共に、展示場所や展示期間を計画します。その際、取扱い上の注意点や作品の材質などをスタッフが説明し、作品理解を深められるようにします。
6) 公開
マップを作成し、ツアーなどを企画して、プロジェクトの幅を広げます。
 ■ 終了後の諸活動
7) ドキュメンテーション
基本的にはインターネットのホームページで、プロジェクトの様子を広く外部に公開します。データのCD-ROM化、図録作成などを行う予定です。
8) ネットワークづくり
ホストファミリー間のネットワークを広めて、交流の機会を作ります。






灰塚アースワークプロジェクト