■□ 作品ホームステイ・コンセプト |
I. 主旨 |
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灰塚アースワークプロジェクトは、既成概念にとらわれない新しい芸術・文化活動を通じ、三つの町にまたがるダム建設にともなう様々な課題に取り組み、町づくりの一端を担ってきました。「作品ホームステイ」は灰塚アースワークプロジェクトにおける芸術文化振興事業の一環として、芸術作品を地域の一般家庭にて、一定期間の展示/保管を行い、街全体を一種の美術館にする試みです。 |
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II. 実施概要 |
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都市部にて活動している若手の芸術家の作品の中で、特に質が高く、先進的と思われるものを集めたデータベースを作り、その芸術家自身が所蔵している作品をデータベースに登録します。事務局では、データベース登録作品のビジュアルカタログを作り、地域で作品の展示/保管の希望者をつのります。 |
(2) |
展示/保管希望者が決まり次第、スタッフがそのカタログを持って訪問し、登録作品の中から預かっていただく作品を選んでいただきます。展示場所をその御家庭の方と決め、1〜2ヶ月の間、展示及び保管をしてもらいます。その際にその作品の鑑賞のポイントや、保管上の注意点を説明します。展示期間中の作品の公開日をきめてもらい、その日には、各家庭で展示されている作品を外部の方に鑑賞してもらえるようにします。その結果、町全体が美術館として機能しはじめ、展示/保管希望者は、作品のホストファミリーであると同時に、作品の保管とその公開を執り行なう、いわば学芸員となります。 |
(3) |
事務局では展示してある家や商店のマップを作り、その期間中にツアーなども企画します。また、これらの活動のドキュメンテーションを作り、活動の記録を残していきます。 |
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III. 目的 |
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美術館や都市部の文化施設に作品を見に行くのではなく、作品の方が生活の場所へ赴くことによって、日々の生活の中で作品と接する時間が増え、様々な芸術活動がより身近に感じられるようになります。 |
(2) |
個人として文化事業に関わってもらうことによって各コミュニティが活性化し、作品を預かっている人どうしのネットワークが形成されることを目指します。また、3町以外からの鑑賞者との交流を深めるきっかけを作ることができます。 |
(3) |
若手の作家の作品を地域において展示/保管することによって、個人的にはなかなか地域の活動に参加することが難しい作家も、制作活動を続けながら地域振興に関わることが可能となり、様々な人々との交流の機会が広がります。 |