@ EARTHWORKS NEWS - No.20 '98/05/15
三良坂のぞみが丘地区に無縁墓地が完成
Zoom!  4月30日(金)、灰塚無縁墓地の整備が完成し「完成式・慰霊祭」が開催されました。  完成記念行事の一環として、参加者全員がステンレスのポールを1本づつ立てた後、慰霊祭とモニュメント完成式を行いました。
 無縁墓地のデザイン・施工・監理業務は、1997年度事業として、三良坂町からの委託で、アースワークプロジェクト実行委員会で行ってきました。
 建築家吉松秀樹氏が設計・管理を担当され、夏のサマーキャンプでのヒアリングに始まり、地元のぞみが丘ダム対策同盟会との数回に渡る協議を経て完成されました。
 細いステンレスのポールは、この地に眠る霊と天空とのバイパスのようにそびえたち、まるで光が天地を行き来しているかのような印象を与えます。
 墓地の奥には移植したタラヨウの木が、新しく植えられた2本の木をたずさえ、これからののぞみが丘を暖かく見守っています。
 ダム対策同盟会の山口会長さんも「気にかけていたこの地の御先祖の慰霊ができた」と喜ばれると同時に、吉松氏を始め多くの関係者の方々の協力で完成したこの無縁墓地を地元で大切にしていかなければと気持ちを新たにされていました。

高知から平成海援隊
 ◇ アースワークへ関心をもち視察
 4月19日(日)、新緑のまぶしい灰塚に、四国高知から30名に及ぶ視察の方々がこられ、木屋地区(総領)、湖畔の森(三良坂)、Xa104(吉舎)などを視察されました。
 平成海援隊は、高知の様々な業種の方々の勉強会的な集まりで、1月発行の『造景』(特集:灰塚ダムの30年の決算)をご覧になりアースワークへの関心から視察を決めたそうです。
 木屋地区の現場視察から、非常に喜ばれた湖畔の森での山菜料理など、アースワークによる広域的な取り組みや、土木事業へのデザインの取り組みを、矢吹、平岡さんのユニークな説明で、楽しみながら見ていただくことができました。

「春の引越し」地元の人の手で
 ◇ 水没予定の貴重植物を移植
Zoom!  2月28日57人、3月28日62人もの地元の方々が参加され、三良坂町の水没地域からのぞみが丘周辺に春植物の移植が行われました。
 3月には「貴重植物を地元の手で移植する」という珍しい活動を、一緒に行いながら交流していきたいとの思いから、大阪高槻ロータリークラブより会員22人の方々がこられました。
 ダム建設地で、住民が取り組む貴重植物の移植活動は、全国でも珍しいといわれています。
 「あまり身近にありすぎてこれまでは関心がなかったが、自分たちが移転して初めて気になってきた」という声のとおり、セツブンソウやカタクリといった春の貴重植物をいとおしみ、愉しみながら移植しました。
   この様子は、テレビ放映をはじめ、様々な形で報道され、大きな反響をよびました。
 また、『春植物だより』を発行し、この2日間の様子を楽しいイラストと一緒に紹介しています。この『春植物だより』に関するお問い合わせは、のぞみが丘農業活性化センター内「春植物だより」発行事務局0824-44-2237までご連絡ください。

護岸の基盤工事
 ◇ 岡崎乾二郎氏の論文「GA JAPAN」に掲載
 建築関係の専門誌「GA JAPAN」32号に、1997年度吉舎地区周辺整備計画での護岸整備提案(デザイン担当 岡崎乾二郎氏)が掲載されています。
 もともとこの欄は、建築界を叱咤激励するコーナーということですが、岡崎氏はここで、アースワークでの取り組みを例に、何も建てないで「建築」は成り立つか、という新しい提言をされています。


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