@ EARTHWORKS NEWS - No.26 '98/11/15
総領町田総の里自治会
 総領町田総の里自治会は10月21日に、建設省へ行き、地元の要望を伝え協議しました。
 主な議題は、(1) 副ダムデザイン (2) 羽地大橋高欄 (3) のり面緑化 (4) 河川(アースワーク公園)への降下道 (5) 県道・迂回道路などについてです。
 面屋橋周辺の整備や、アースワーク公園整備にともなう池づくりなども要望しました。

自然や芸術を楽しむ環境づくり
Zoom!  吉舎町ひまわり集会所で10月6日「ひまわり護岸」整備計画について、19日「知和大橋」高欄デザインについて説明・意見交換会がありました。
 「ひまわり護岸」については、護岸公園のできる場所を安田地区・ひまわり集落とダムエリアの接点として、子どもたちも利用できる場所にしていくという岡崎乾二郎さんの提案に、皆さん大きく頷かれていました。
 建築家福井裕司さんによる「知和大橋」高欄デザインの説明は、これまでのデザイン作成過程も含め、賛同していただき、地元の協議会発足へと話が進みました。
 これらの会議を通じて、今後のダムづくりを「自然や芸術を楽しむ環境づくり」という考え方で進めていくことを再確認しました。
 建設省からは、植生や工法、トータルデザインなど、建設省内だけでは判断しきれない案件に対し、諮問できる専門委員会の設立が提案されています。
 また、ダム事業にアースワーク的な手法を採り入れていくために、実行委員会の体制をどうしていくか、規約の改正などについて協議されています。

今後のダムづくりを進めていく上で
 現在、アースワークプロジェクトでは、今後のダムづくりを進めていく上で、何が必要か、次の三つの会議を中心に協議しています。
  1. 事務室会議
    3町担当者が地元意見を踏まえ意見調整を行う場
  2. 連絡調整会議
    ダム建設関連の各種情報交換・アースワーク宣言準備の為、江の川事務所と事務室で協議する場
  3. 運営室会議
    3町課長・江の川調査設計課・工務課長による、事務室会や連絡調整会議での議題を協議する場。
 これらの会議で協議された議題が、ダム懇談会、実行委員会で決定できるよう、調整を行っています。

第3回アースワークスクール
Zoom!  第3回アースワークスクールが10月17日(土)に総領小学校で行われ、4・5・6年生計60人が参加しました。
 今回のテーマは『ドームをつくる』。自分を包む小さな空間をつくってみようという試みの一つです。講師は東京芸術大学建築科助手の福井裕司さん。
 基本となる三角形を組み合わせてドームをつくります。新聞紙とテープ、ものさしを使い制作。まず新聞紙を丸めて60cmの細長い棒をつくります。なるべく細く固く巻くのがコツ。
 出来上がった棒をグループに分かれて組み立てて行きます。最後の仕上げでは中に入って支える人、周りから新聞紙を貼り屋根をつくる人と、チームワークを発揮。広い体育館の中に5つのドームが完成しました。
 その後部屋を暗くして、作品をライトアップ。赤、青、緑の光で照らされたドームを家に見立てて楽しみました。最後に光が重なると透明になることを確認し、色を塗って重ね合わせると黒になることとの違いを体験しました。

船をつくる話
◇ PHスタジオ
 ダムエリアのたくさんの木を使って大きな船をつくり山のてっぺんに移動させるというプロジェクト。
Zoom! PHスタジオは美術・建築専門のグループです。1994年の灰塚アースワークプロジェクトのワークショップに参加。その時ダムのため沢山の木が伐られることを知り、何とかそれを生かせないかと考え、六〇メートルの大きな船をつくるアイデアを思いつきます。一九九六年に再び灰塚を訪れ森林、木材加工についてのヒアリングの後、具体的な設計をし、12分の1の船の模型をつくりました。
 なぜ船が山の上に・・・それは、ダム完成時の試験湛水を利用して水位とともに船を浮上させ、実験後水位が下がるので船は山のてっぺんに取り残されるという仕組み。「船をつくる場所の確保を始め、実現へ向けて一歩一歩進めて行きたい。」と代表の池田修さん。自費で灰塚を訪れ、まずプロジェクトを知ってもらおうと船の模型・プランの展示、シンポジウム(11月3日)を開催しました。
 11月20日(金)まで三良坂町農業活性化センターでプロジェクトプランを展示中。木の提供を呼びかけています。

松茸採り名人
 総領町にお住まいの奥田國義さんは松茸採りの名人です。小学校一年生の頃から大人に付いて行って覚えたという奥田さん。大の山好きで春の山菜とりから始まり、一年中、山に行かれるそうです。
Q 松茸を見つけるコツは?
A 山の形を見て、ある所がわかります。痩せ地に松のある山の南側、東側に生えます。松の木の根が張っている土の中に白い菌が円形に繁殖するので、1本見つけたら採らずに周囲を良く観察します。3本見つければ円の大きさ、方向がわかりますから。
Q 採り方は?
A 手で押さえたら雑菌が入ってしまいます。しっかり根元に手をやってゆっくり抜きます。柴を掻いたり石を動かしたら翌年生えませんので大事に扱います。個人が見つけた場所は隠し代と言うのですよ。
Q 今年の収穫は?
A 300本ぐらいです。趣味で採っているので売ったことはないですね。全部喜んでくれる人へ分けています。
 4〜5m離れていても木の葉のふくらみ具合で松茸が生えているのがわかるそうです。子どものころからの経験とすばらしい観察力で名人に達した奥田さん。このところ大気汚染や酸性雨の影響からか松が枯れ、松茸も少なくなっていると心配されていました。


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