@ EARTHWORKS NEWS - No.27 '98/12/15
 
ダム事業懇談会
 建設省が主催するダム事業懇談会が、12月7日、江の川総合開発工事事務所で開催されました。委員として三町の行政、地元住民16名が出席。建設省から事業の進捗状況が説明され、委員からは質問や意見が相次ぎ、実りある懇談会となりました。
◇ まず県道を整備
 事業説明では、県道を優先的に整備中で(1)道路の法面やガードレールをできるだけ自然なものにする(2)事故防止に努める(3)できるだけ駐車スペースをつくる、などが明らかにされました。
 橋の状況は(1)灰塚大橋…今年度下部工事終了(2)知和大橋…橋脚完成(3)木屋川・加村橋…発注済。高欄のデザインは、地元の意見、アースワークの提言を取入れ進めているとのことです。
◇ 質議応答の一部を抜粋
 Q 県道に歩道はつかないのか
 A 片側に二・五mの歩道をつける
 Q 計画では舟迫地区の県道のカーブがきつくて危険
 A できるだけ法面を出さず、ゆるくなるよう検討したい
 Q 周辺整備を積極的に進めて
 A 道路が一段落したら具体化して進めたい
 Q アースワーク宣言の予定は
 A 来年度やりたい
 Q 工事発注を地元企業に
 A 来年度指名基準が変わるので検討したい
 その他、50年、100年先を考えダム完成時に三町住民がダム湖を取り囲み植樹をするといったイベントをやってほしい、などの意見が出されました。
 森山所長の「住民の意見を取入れたダムにしていきたい。懇談会も継続いたします。」との話で閉会しました。

第4回アースワークスクール
Zoom!  アースワークスクールの第4回目が、吉舎小学校で12月4日(金)午前中に行われました。参加したのは3・4・5年生の90人。
 最初に講師の岡崎乾二郎さんが「彫刻の特徴って何?」と問いかけ、動いたり、変化したり、腐ったりしない、と説明。「皆も自分の身体を使って、そのものの気持ちになって表現してみよう」と人間彫刻の例を示し、ストーブやねこ、歩く人などを身体を静止させ表現しました。
 「準備体操が終ったから、今日はガムテープを使って実物大のものをつくってみよう」ガムテープの特徴をつかむため、まず納豆づくりに挑戦。ねばねば感、糸のようなひも状に、表と裏の違いなどマスターした後、本番の作品づくり。
 巨大バサミ、ぼくの家のふねのおきもの、非常出口、死んだねずみ、大きな魚など、テープを思いきり使って、完成させました。白いボール紙の上にのせて皆で鑑賞。日頃は梱包用のテープが作品になり、新鮮な驚きを味わえたスクールでした。

第5回アースワークスクール
Zoom!  第5回目は、総領小学校で12月5日(土)に。4・5・6年生60人が参加しました。
 講師の岡崎さんが彫刻の説明をした後、人間彫刻に挑戦。
 その後5つのグループに分かれ、体育館の中からつくるものを選びました。モップ、ピアノ、時計、ボール、ストーブの代りに扇風機。まず最初にその「もの」の気持ちを作文に書きました。「足が一本だけど手もほしかった」「さみしいよー、誰か弾いてよ」「もっと空気を入れてくれ」「目がまわる」などと。
 それから大きなダンボール紙を切ったり、貼ったり、顔を描いたりして作品づくり。
 穴から足を動かし振り子の様子を表現した時計班、身体を回転させ首につけた羽を動かした扇風機班。それぞれの工夫が生かされ、楽しい発表会になりました。

花木の採集・移植
 11月26日、建設省、水没関係者、三町行政、工事関係者が灰塚活性化センターへ集まり、沈みゆく山野に育つ花木を採集し仮花壇に移植しました。
 三良坂町にはどんぐりの実を拾って埋め、吉舎町には若木を移植しました。いずれはダムで整備する場所に植える予定です。

招かれアースワーク活動を発表
 『現代美術に携わる人で『灰塚』を知らない人はいないですよ!」そんなうれしい声を掛けられました。11月19・20日水戸市の芸術館で行われた国際シンポジウムでアースワークの取組みを発表したときの話です。
 11月25・26日に行われた建設省の全国技術研究会でも、先進的な取組みとして高い評価を得ました。  アースワークの掲げる理念やこれまでのソフト事業がこうした評価を得ていますが、これからがいよいよ本番です。事業が完了して地域の財産になり、評価が維持できるかどうかは、これからの取組み次第です。地域のみなさんのご支援やご指導をよろしくお願いします。(事務局・矢吹正直)

「まちの常備薬〈アート漢方〉使用法」
 11月28日、ドキュメント2000(芸術文化活動支援)の関西研究会に、シンポジウムゲストとして招かれ、アースワーク活動を報告しました。
 じわーと後から効いてくる漢方薬のようなアートの効用について、時に真剣に、和気あいあいと話し合いました。(事務局・山吹善彦)

総領こんにゃく
 総領町はこんにゃく作りの盛んなところ。秋に掘った生の芋で作るこんにゃくの味は最高です。生産者の組合『総領こんにゃく』で販売するこんにゃくは町の特産品。手作りする家庭もたくさんあり、丸山さんのお宅も一家で作っています。
Q 手作りはいつごろから?
A 20年以上前からですね。94歳の姑に教わりながら、二人で作りました。今は姑は引退し主人(隆三さん)と一緒に。嫁(慈加さん)も手伝ってくれます。ご近所の方に頼まれるので沢山作ります。
Q 芋から育てているのですね?
A 芋の子ども(たるご)を翌年また翌年と三年植えて、大きくなった芋でつくります。春に植えるまでの芋の保存には気を使いますね。凍みないよう練炭をたいて暖かくしておきます。こんにゃくの色は育った土地の色で黒くなったり白くなったりするのですよ。
Q つくり方は?
A わが家では芋をゆでてから皮をむき、小さく切って水を加えてミキサーにかけます。芋の乾き具合で水の量をかげんします。それを手で良くかき混ぜ、凝固剤を入れ固まってきたら、おわんにとって手で丸く形を整え、熱湯の中に入れて30分以上ゆでます。ゆであがったら水にとって出来上がり。
 伺った時こんにゃく作りの最中。私も作り方を教わり、ゆでるのを手伝いました。柔らかくてプリプリとした感触。きれいに丸めるのに苦労している横で、丸山さんはてきぱきと仕上げていました。いただいたこんにゃくをさしみにして、酢味噌で食べたらとってもおいしかったです。

アート INFORMATION イベント
四季の光彩、藤原義治板画展
11月21日〜1月18日【水曜日休館、午前9時〜午後5時】
三良坂平和美術館 入場料=大人300円、小・中・高校生150円
小川憲一豊実作品展 11月29日〜12月20日
Xa104 入場無料【火曜日休館、午前10時〜午後5時】
しめ縄作り
12月17日 敷地公民館(吉舎町)

お知らせ
 中国新聞の元旦特集号でアースワーク活動がイラストマップ入りで紹介されます。ご覧ください。


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