@ EARTHWORKS NEWS - No.31 '99/04/15
「灰塚ダムを語る会」開催
 昨年から実施してきた建設省・3町の連絡調整会議で、「灰塚ダムを語る会」の開催について打ち合わせが続いています。
 総領・三良坂・吉舎町の全ての方々に、ダム事業に係わる情報に直接触れる場をつくり、対話の機会をもつために準備されています。
 今年の夏には、アースワーク宣言(仮)の実施も決定しています。この語る会を通じて、灰塚ダム事業やアースワーク活動の内容、このエリアの環境づくりにつながる利用方法、活かし方などについて意見交換をし、広く皆さんと話せるような会にしたいと考えています。
 主催は建設省江の川総合開発工事事務所。もちろん三町の担当者、アースワークプロジェクト実行委員会も出席します。
 今のところ、上の表のように、各町の公民館を基本単位に実施していく予定です。詳しい日程、時間など決まりましたら、各町広報誌やこのアースワークニュースでお知らせしていきます。

平成11年 春のお引っ越し無事終了
 3月20日(土)・21日(日)と、三良坂町・吉舎町のダム水没予定地から春植物の移植が行われました。
 昨年移植した節分草やかたくりも無事根ずき、元気に花を咲かせました。今年、引っ越してくる植物たちも、じき新しい住居にも慣れて、来年また元気な姿を見せてくれることでしょう。
 また、田んぼのように水が張られた三良坂町大谷地区には、アヤメなど1500本が植えられました。うまく根ずけば夏には懐かしくて新しい景色が見れそうです。

色を決めるイベント来月開催予定!
 ◇ ガードレールの色を決めるイベント開催!
 灰塚ダム周辺の構造物の色や素材を統一したものにするため、皆さんの参加のもと、ガードレールの色を決めるイベントを来月開催します。
 灰塚大橋周辺で、実物のガードレールに5種類程度の色を塗り、どの色が全体の景色に溶け込み、しかもきれいに見えるか、参加者で決定します。
 背景の景色や湖を思い浮かべながら、もっとも似合う色を決めます。
 詳細は別の機会にチラシ等でご案内します。

灰塚ダムCI計画
 ◇ 大きなおおきな庭ができるのだから
 なだらかな山の緑に囲まれた、大きな湖。
 デザインが施された橋がかかり、島や公園が飛び石のように置かれている、大きなおおきな庭ができようとしています。
 コミュニティ・アイデンティティ(CI計画)とは、今からかたちづくられるこの「大きな庭」のイメージを、故郷の一部として人に伝えやすくするための具体的な方法です。
 3つの町の歴史や文化を大切にしながら、長くいい伝えられる新しい故郷のイメージを、みんなでつくっていきましょう。
 ◇ つなぐ
 ダムエリアの個性をプラス指向で考えていくためには、灰塚ダムによって3つの町が「つながれる」ことを積極的に考えていくことが大事なのではないかと考えています。「様々なことをつないでいくこと」そのものを地域の個性にしようという考えです。
 ◇ 見えないダム
 灰塚ダムは奥まった谷に位置しており、ダムやダム湖を一望できる場所がありません。実際には3町エリアとも森や緑といったイメージのほうが強いようです。
 こういったイメージを全体の地域特性として前面に出し、そのなかにダム堤体やダム湖、公園、施設などがあるといった考え方のほうが灰塚ダムエリアにはふさわしいイメージではないでしょうか。
 ◇ 水・緑・芸術
 様々なイメージ調査から、灰塚ダムエリアにおける基本的な考え方(理念)としては、「地域づくりの舞台となるダム」「里の環境に調和するダム」「地域とともに創るダム」「将来に伝え残されるダム」などがあげられています。これらの要素を取り入れたキャッチフレーズ案として現在出てきているのが「水・緑・芸術を楽しむ環境づくり」です。ここでは、灰塚の個性としての自然、そしてダム湖、新しい個性としてのアースワーク(環境芸術)活動を3つの柱として考えています。
 ◇ アースワークの杜
 基本的な考え方をうけて灰塚ダム全体のイメージとなる名称を考えなくてはなりません。灰塚全体の考え方を表し、いままでの名称を一新する考え方として「アースワークの杜」と「水と緑と芸術の杜」を提案しています。「アースワーク」という言葉が新しい灰塚のイメージかどうかはみなさんにご判断いただくとして、新しい地域を表す言葉「アースワーク」と全体をくくる言葉としての「杜(もり)」をあわせた名称が灰塚ダムエリアの個性・イメージとしてふさわしいのではと考えたのです。
 「杜」は、緑のみならず湿地、動植物といったイメージが含まれた言葉として選んでいるものです。この杜のなかに〜〜湖や〜〜ゴルフ場や〜〜公園があるといったイメージを考えています。
 ▽ ご意見をお待ちしています。
 CI(コミュニティ・アイデンティティ)計画として必要な様々なデザインをグラフィックデザイナーの古平正義さんに考えていただいています。また各町の事業計画や橋などの名称も同時に案を作成しています。
 みなさんのご意見を少しでも多く反映させていきたいと考えています。アースワークセンターまで遠慮なく、ご意見や提案をお寄せください。
 Tel&Fax: 082488-3080
 E-Mail: haizuka@ny.airnet.ne.jp
 ☆ デザイナー古平正義さんのコメント
 こんにちは。CI計画でデザインをしています。古平です。
 灰塚ダムやアースワークの話を聞き、3町を見て歩きながら思ったのは、普通の企業や行政のCIの様に『決まったシンボルマークやロゴタイプをつくりそれを色んな所に使う』というのではなく、町やダムエリアの環境と同じように、みなさんの考えや思いを反映して、変化したり、成長していけるCIを、という事でした。他のどこでもないこの地域の個性が息づいたCIをめざしています。
 どんどん意見をくだされば幸いです。
1999年4月 グラフィックデザイナー 古平正義 

平成10年度業務報告(概要)
 6年目を迎える灰塚アースワークプロジェクトは、ダムエリアにとどまらない三町の広大なエリアを舞台に、様々な前例のないことへの挑戦を続けています。
 灰塚ダム建設の周辺整備事業として始まったこのプロジェクトは、町づくり(広島県中山間地域活性化ソフト事業)や環境づくり(河川整備基金補助事業)、芸術文化振興(芸術文化振興基金事業)など多様な活動内容で、それぞれの分野において、多くの成果を上げています。
 来月から2回に渡って平成10年度の事業をわかりやすくご紹介します。

総領町
 木屋地区のハーブ実験農園が一年間の実験を終え、この場所に適した植種やハーブの種類についてまとめられました。
 木屋川橋建設の為、工事用道路設置などが進んでいますが、実験農場と併せて建築家掘正人さんに全体の形状を確認していただき、計画に沿った整備が進んでいます。

吉舎町
 ◇ 植性復元と人里植物の活用
 知和地区を「人と環境にやさしい」場所として利用していくため、芝生育や人里植物の基礎資料を得るための調査がおこなわれました。  移転後の風景、景観の変容と、荒廃の原因としてセイタカアワダチソウなどの帰化植物(雑草)を上げ、人里植物を多く活用することで、将来的な環境復元を目指しています。  矢田地区、加村地区などを本試験地とし、計画にもとづいた本試験そして全体造成を行っていこうとしています。ゴルフなどのスポーツを楽しむとともに復元された環境も楽しめる場所となっていくよう準備していきます。

アースワーク宣言について(第1回)
 アースワーク宣言(仮)を行うということは、どういうことなのか。そのユニークな点について、5回にわたって連載していきます。
◎ 主体の特色
 アースワーク宣言の最大の特色は、宣言が建設省江の川事務所、地元三町、そして灰塚アースワークプロジェクト実行委員会の共同で行われるという点です。
 参考にしている「エコダム宣言−生態系保全新時代−」は沖縄総合事務局北部ダム事務所だけで行っています。
 ダム立地条件の違いにもよりますが、ダム完成後もダム湖のすぐ側で生活を営んでいく当地では、50年、100年後を見越した整備が欠かせません。
 先を見つめ、将来の様々な問題にも柔軟に対処できるような整備を行っていくためには、行政・住民・専門家等、複数の関係者の知恵と協力が必要となります。
 しかし同時に、複数の関係者が集まれば、その分意見調整が大変です。
 これまで、粘り強い議論とお互いの考えの尊重による共同作業がなされ、こうして宣言として実を結ぼうとしていることは、アースワーク宣言の最大の特色といえます。

アート INFORMATION イベント
特別企画 日本画 梶谷竹水展
3月23日〜4月11日【月曜日休館、午前10時〜午後5時】
あーとあいきさ 一般300円 高校生以下無料
WANIGAMA ANIMAL WORLD
岡迫明良・岡迫由子の陶芸作品
4月12日〜4月24日【火曜日休館、午前10時〜午後5時】
Xa104 入場無料
三桝正典展
3月13日〜4月11日【水曜日休館、午前9時〜午後5時】
三良坂平和美術館 入場料大人300円小中高生150円


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