@ EARTHWORKS NEWS - No.35 '99/10/15
アースワーク宣言以後
 アースワーク宣言以後、よりよいダム事業整備に向けての具体的な活動を模索しています。
 現在の懸案事項としては、以下の事柄があげられています。
  1. 道路のり面処理に関する個別の状況把握
  2. 地元の人々が参加できる具体的な場づくり
  3. デザイン導入がなされる整備計画の施工に関する流れ
  4. 実現に向けての活動の整理
  5. これからの取り組みを拡げていくイメージ・コピー(CI)
 これまで、アースワークプロジェクトが行ってきている内容には、芸術文化振興を中心とした活動(サマーキャンプ・アートスフィア・作品ホームステイ・展覧会・アーティストインレジデンス・アースワークスクールなど)が多く含まれており、これらの活動を基盤とした外部協力者の参画によりダム関連事業が多様でユニークになっているといえます。
 特に、宣言が行われるまでは、アースワーク活動そのものをより多くの人に認知してもらうために、意識的に賑やかな活動を先行して行ってきました。
 そしてアースワーク宣言以後、もう一度優先順位を考え、活動内容を整理する必要があります。
 芸術文化振興活動は、アースワークらしさの基盤となっていますが、その比重のかけ方を変え、ダム事業への細かいチェックが可能となる体制も整えていく必要があります。
 これから本格的に歩み始めようとしている状況です。皆さんのご意見をお聞かせください。

「ひまわり舞台」いよいよ着工
Zoom! 吉舎町安田地区の護岸整備事業が今月から着工されます。
 9月に開催された説明会では、この場所を「ひまわり舞台」とし、子どもたちや地元の人々が主役となって利用できることが話されました。
 土木工事とデザインを融合させていくアースワークプロジェクト全体のモデルケースです。その実現には、十分な協議と「いいものを創る」という立場を越えた思いが欠かせません。
 施工中に監理(指示・堤案)を十分に行っていくことで、デザインの実現を図ろうとしています。
 また、10月15日には、建設省、吉舎町、デザイン作成の岡崎乾二郎氏、施工業者といった関係者による着工前の協議が開催され、全体の流れや注意点について話されました。

アースワーク宣言について 最終回
 「計画だけで終わらないように必ず実行してほしい」宣言イベントのアンケートに寄せられた意見です。しかし、この宣言そのものは整備の方向性を示し、検討が必要な工法などを整理したものにすぎません。実際、本格的な道路工事が進むなか、大きく削りとられたのり面やコンクリートが吹き付けられているのり面なども目立ちます。
 宣言は努力目標であり、全ての場所を完璧に実現化するのが難しいことは、これまでの協議で何度も語られてきたことです。また、ではどこまで可能なのか?を協議しようとすると、膨大な量に圧倒され、全てを事前に把握することもできませんでした。
 宣言を行うことで、全体の方向性(里山の保全⇒デザイン導入⇒アースワークの杜づくり)は明確になりました。 これからは、個別のディテール(細部の仕様など)について、十分な情報をもとに、更に箇所別に議論を深めていくことが重要です。

アートスフィア灰塚 '99 終了
8月初旬から開催されたアートスフィア灰塚 '99は、様々なメディアに取り上げられました。記事内容などご覧になりたい方は、アースワークセンターまでご連絡ください。

サマーキャンプ
Zoom! 1999年8月2日〜15日
 ふるさとセンター田総にて開催
 作品鑑賞ツアー:8月14日      地灸
Zoom! 今年のサマーキャンプの特色は、基礎演習・専門演習の両面の充実があげられます。
 キャンプ開始時から、基礎演習として創作活動が始まり、岡崎・中谷両氏の指導のもと、ユニークな作品が創られました。
 これらの作品は、ハートリンクス(総領町)で「分離」をテーマとした展覧会としてまとめられました。
Zoom! また、稲草の水没予定地では、栗本氏の指導のもと、全員参加で坪庭づくりに取り組み、管理しなくても、庭らしさは残ることを実践的に確かめました。
 3つのゼミに分かれての専門演習でも、ゼミ毎に制作活動・発表が行われました。

『雑草』講演会・座談会・分科会
 1999年8月7日〜8日
 三良坂町農業活性化センター及びふるさとセンター田総
 広島ツアー:8月8日
Zoom! 講演会では、全体テーマとして掲げた『雑草』について、これを多角的に論じるために、3つのテーマを設定しました。
 芹沢高志氏による「批評」、長田謙一氏による「ネットワーク」そして、野々村文宏氏による「共時性」です。
 雑草と3つのテーマそしてアースワークでの活動や地元での取り組みなどを関連づけた講演が行われました。
 夜には、吉松氏、中谷氏、岡崎氏にも参加いただき、講演会での内容を踏まえながら「共通基準」について、活発な意見交換がなされました。

作品ホームステイ
 1999年8月15日〜9月12日
 総領町・三良坂町・吉舎町の一般家庭及び商店など
 作品ホームステイツアー:9月11日
 主に総領町木屋地区の方々とともにホームステイ家庭を訪問
Zoom! 昨年に引き続き開催された作品ホームステイは、作品数(リストに掲載される作品・作家)を増やし、一般家庭の受け入れ比率を高めました。
 より身近に作品に接してもらうという点で、多くの方々に楽しんでいただけました。
 同時に「せっかくこれだけの作品があるのだから、一堂に会してみて見たい」といった意見も寄せられています。
 作品の長期保有希望者も現われ、作品の楽しみ方(コレクション)にも拡がりがみられるようになりました。
→ 詳しくは作品ホームステイのページへ

アースワーク宣言
Zoom!  1999年9月4日
 吉舎町中央公民館
 関連展示会 同時開催
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トークセッション
  磯崎新(建築家)
  岡崎乾二郎(美術家)
  森保洋之(広島工業大学環境学部長)
  森山利夫(建設省 江の川総合開発工事事務所長)
 会場でのアンケート結果をみると、県内の若い人が多数参加していました。
 アースワークの取り組みの全体を説明するには、短い時間ではありましたが、公共工事に対する新しい方法として、これからを担う多くの若者が関心を持ってくれているようです。
→ 詳しくはアースワーク宣言のページへ

アーティストインレジデンス
Zoom! 1999年9月1日〜10月中旬
 ふるさとセンター田総
 ユーシャーン夢亭
 オープンスタジオ:10月2,3日
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招待作家
  牛島智子(絵画)
  小野弘人(建築)
  カルロス・ニエト(ビデオ)
  横溝静(写真)
 映像・写真・建築・絵画と様々なメディアを使ったアーティストが、中長期に渡って滞在し、制作を行いました。
 「周りの方々がとても親切で嬉しかった」(カルロス)「集中して作品づくりができるということが、思っていた以上に新鮮」(牛島)「電灯が少なく、暗いのには驚いたが、星や月が非常にきれい」(横溝)「段々非常に近い場所に思えてきている」(小野)などの感想が寄せられています。
Zoom! 新しい見方や感じ方を反映した作品が作られ、国内外の地域に、つながりが広がっていこうとしています。
 期間中、様々な面でお世話になった方々に、この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
Zoom!
 1999年11月1日(月)〜11月7日(日)
Zoom!  黒目スタジオ展示室
 AM10:00〜PM6:00
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招待作家
  牛島智子(絵画)
  小野弘人(建築)
  カルロス・ニエト(ビデオ)
  横溝静(写真)
交 通 機 関: JR福山駅−JR福塩線「上下駅」−バス黒目
R432号線沿い「目印−くろかめ売店」
グッズ販売: 絵葉書、Tシャツなど
お問い合せ: 082488-3080(アースワークセンター)
広島県甲奴郡総領町稲草 〒729-3721
E-Mail. haizuka@ny.airnet.ne.jp
→ 詳しくはアーティストインレジデンスのページへ

お出かけアースワークスクール
まなびピア広島'99 出展 〜 ワークショップを中心に 〜
 日 時:1999年10月7〜11日
 場 所:広島県立総合体育館小アリーナ
 参 加:親子連れ多数
まなびピア広島99  第11回全国生涯学習フェスティバル(まなびピア広島'99)は、10月7日から11日まで広島県立総合体育館大小のアリーナで開催されました。
 アースワークプロジェクトは総領町ブースを借り、「アースワークスクール」を中心とした展示とワークショップを行いました。
 ワークショップは昨年、吉舎小学校で行った「大きな絵を描いてみよう」のダイジェスト版で、会場に用意した透明のシートに自由に絵を描き、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)で、壁に大きく映し出し、その映し出されたイメージをクレヨンなどでなぞったり、着色していくというもの。
 連休だったこともあり、会場に来ていた子どもたちが次々と参加し、自分より大きく映し出されたイメージに全身で取り組んでいました。
 アースワークプロジェクトでの取り組みが様々な場所に、拡がっています。
 これらの活動の様子や演習内容の解説は、アートドリルブックにまとめられています。
◎ 詳しくは「まなびピア広島'99」HPへ
http://www.pref.hiroshima.jp/sukoburu/

NHKお好みワイド広島放映
Zoom! 平成11年度のアーティストインレジデンス作家として滞在・制作をしていたスペインの作家カルロス・ニエトさんの制作活動がNHKで放映されます。
 10月初旬、オープンスタジオでの様子や制作風景など、綿密なインタビューにもとづき、撮影が進みました。
 今回滞在した4名の作家の代表として、その制作方法や、その作品に込められたもの、作家の思いなどが約7〜8分にまとめられます。
 平成11年10月20日(水)午後6時からの番組の中で「福山発備後情報」として放送される予定です。
 アーティストインレジデンス活動の一面をご覧ください。

アート INFORMATION イベント
吉舎町内児童生徒作品展
9月21日〜11月25日【月曜日休館、午前10時〜午後5時】
あーとあいきさ 入場無料
版の展開 SKY工房展 10月4日〜10月31日
金森拓磨展 10月4日〜10月31日
Xa104 入場無料【火曜日休館、午前10時〜午後5時】
渡辺うめ展
11月20日〜12月19日【水曜日休館、午前9時〜午後5時】
三良坂平和美術館 入場料大人300円小中高生150円
レジデンス作家展覧会
11月1〜7日【午前10時〜午後6時】
総領町黒目スタジオ 入場料無料

実行委員会動向
【10月2・3日(土・日)】 オープンスタジオ開催
【10月7〜11日】 まなびピア広島99での出展及びワークショップ開催
【10月12日(火)】 連絡調整会議
【10月15日(金)】 ひまわり護岸着工事前会議
【10月23・24日(土・日)】 安田文化祭出展
【11月1〜7日】 レジデンス作家展覧会


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