@ EARTHWORKS NEWS - No.38 '00/01/15
周辺整備への提案
◇ 三良坂
Zoom!  12月20日に仁賀地区ダム周辺整備活用懇談会が開かれました。
 ダム堤体への玄関口として、仁賀大橋手前の五叉路の交差点から堤体へと続く道路周辺の整備、ダム直下流周辺整備について、意見が出されました。
 桜並木を活かした風景を作る、大きな看板を作るよりは、交差点から続く五本の道をそれぞれ特徴付けるような植栽をすることなどが提案されました。
 今年度の三良坂地区周辺整備の中心として、仁賀地区の整備について、地元懇談会での検討を基本として計画をまとめていきます。
◇ 総領
Zoom!  総領町では、「ホタルの里」づくりの一環として、田総の里周辺に、お米の形をした「お米池」「ほたるの小川」が整備されようとしています。
 お米の形をした池のデザインは、田総川流域に広がる、アースワーク公園の一部分となります。
 田総の里自治会での協議や、ホタルの里づくり協議会などと協力して、整備計画をまとめていきます。
◇ 吉舎
 吉舎町では、具体的な工事や設置が進んでいる事業と、検討会やワークショップ等を通じて全体の方向性や計画をまとめているものがあります。
 特に環境に優しいゴルフ場の計画を巡り、会員制度をなくし、誰でも楽しめるものにすることや、地元での活動の拠点となるような検討がなされています。
 高水敷という広大な空き地の利用法について計画をまとめるということは、どれだけ多くの人々の意見を反映できるかによっています。
 進行中の事業とともに見守りながら、より多くの積極的なご意見をお待ちしています。
※ 周辺整備計画とは・・・
 ダムエリア内における道路や橋、護岸等の周辺環境整備は、建設省とアースワーク実行委員会が協議をしながら進めています。
 アースワークプロジェクトでは、三町それぞれの地域が特色を持ちつつ、全体で調和がとれるよう、計画・提案を行っています。

共通親柱の提案 Zoom!
 ・加村橋[吉舎町]
 ・田戸橋・反谷橋・湯谷橋[三良坂町]
 ・木屋川橋[総領町]
◇ 親柱デザイン
 前号でお伝えした親柱デザインが、福井裕司さんから提案されています。
 「みんなのこしかけ」と題されたデザイン意図には、親柱として眺められるだけではなく、近寄ったり、腰掛けたりといった、より身体に働きかけるような仕組が折り込まれています。
 左右の手のひらが、通行する人や車を包みこんでくれているような、やさしいく暖かいデザインとなっています。
 この親柱は、吉舎町では加村橋、三良坂町では田戸橋、反谷橋、湯谷大橋、総領町では木屋川橋の親柱として設置される予定です。
 高欄と防護柵/ガードレールやガードパイプの間に位置しますので、その納まりや、デザイン的なバランスに配慮しながら、全体の設置計画を作成します。

三良坂 - のぞみが丘検討会
 12月17日、建築家の吉松秀樹さん参加のもと、灰塚ダム周辺整備等検討会が行われました。
(1) のり面下端の処理
のり面下端部の緑化処理については、おもに管理の仕方について質問が出され、町側が管理するか、もしくは管理そのものを地元に正式に依託することが望ましい、という意見が出されました。
(2) のぞみが丘の新アースワークセンター設計
ダム関連の資料などを完備し、進捗状況の確認や打ち合わせ場所として利用できるような施設として検討されています。
(3) のぞみが丘モニュメント
のぞみが丘モニュメント設置については、参加者全員で積極的な討議がなされました。
Zoom!  今年だけで作られるものを置くより、少しずつ発展させていくことができるプランをたて、その礎としても見ることができるものを作る(吉松)、という提案から、単年度予算分である程度わかりやすい形にしてほしいという要望(同盟会)、「木と水、森と泉」というテーマ(2001委員会)にそって、モニュメントにまつわる物語を時間をかけて形成していくという方向性などが検討されました。
 モニュメントについては、これらの意見を折り込みながら具体的な形にしていきます。

吉舎 - 知和大橋照明計画と加村橋の親柱について
Zoom!  12月25日、知和大橋の照明計画と、加村橋の親柱デザインについて、建築家の福井裕司さんの参加のもと安田地区の会議が開かれました。
 オレンジ、黄色、緑の三色に変化する照明で、夜空を飛ぶ螢をイメージできるような知和大橋高欄とするために、その変化の周期、時間帯について検討しました。
 季節ごと、曜日ごと、一日の内に時間に応じて変化させるといった意見の中から、時間での変化が選ばれました。
 また、加村橋を含めた親柱について、人が腰掛けて景色を見ながら休むことや、そこに物をおいておくことができるようなデザインが示されました。

総領 - 木屋地区ハーブ・自生植物園
Zoom!  木屋地区の周辺整備計画は、平成9年から建築家の堀正人さんにグランドデザイン(基盤整備計画)をお願いし、木屋川橋周辺の景観など木屋地区全体の整備計画をまとめています。
 今年度は、2年前から実験的に育成しているハーブの調査や管理、ハーブ関連商品デザイン及び新規商品開発、販売に関連する準備などを、総領町在住の美術家井上知子さんを中心に行ってきています。
 その様子は『kiyaハーブ回覧板』として木屋地区の方々に回覧されています。
 感想録には「時間の許す限り参加したいと思います」といった積極的な声や「スカボロフェア/サイモン&ガーファンクルを懐かしく思い出しました」といったさり気ないコメントまで、多数寄せられています。
 ハーブラベルを焼もので作ったり、椅子のような野外作品を配置したりといった、野外ギャラリーとしての使い方なども検討されています。

木屋にたずさわって
 植物の自然な効能を生活に取り入れる、シンプルで根源的なこの営みの延長で仕事ができるのは、昨年東京で販売という、それとは対照的な仕事をしていた私にとってとても興味深いものでした。
 そんな動機で木屋のハーブ園に携わり始めたのは、去年の秋です。近隣の市町村のハーブ園にはレストランがあり多くのスタッフを抱えている中で、木屋には施設らしい建物は、今のところ一つもありません。
 私は木屋に関わるまで、ハーブについては多少興味があっただけで、今でもとうてい専門家とは言えませんが、一見不足が多いかのように見える状況の中で一体私に何ができるのか、始めは模索と迷いの時間が続きました。
 けれど実験的に栽培され始めたハーブは、少しずつではありますが確実に根付こうとしています。小さな谷間に流れる小川のせせらぎは何よりも心を安らげてくれます。
 まだ規模は小さくハーブ園と呼べるようになるには時間がかかりますが、その時間の中にこそ他にはない木屋らしさがあるのではないか。木屋のハーブ畑に携わり始めて約五ヶ月、今はそんな思いで地元の方々に支えられながら商品の開発やデザイン、場所の活用を進めています。
 木屋という場所が今まで築いてきた時間、住民の方々のハーブ園への思い、ダム建設というこれから迎える大きな環境の変化、そして何よりハーブという小さな自然の大きな可能性に身をゆだねながら、時間の流れにも柔軟に対応できる安らげる場所と商品づくりができるよう頑張っていこうと思っています。
井上知子(美術家)

アースワークスクール - 安田保育所にて
Zoom!  12月25日、安田保育所でアースワークスクールが行われました。
 「保育所に通う子どもたちが楽しみながら体験できる演習を」と、講師の福井裕司さんが考えて下さったのは、長い棒のまん中にペンをつけ、両端を子どもが二人で持ち、一つの絵を書くというもの。
 長くつなげた大きな紙をはさんで、向かい合って座った二人がその棒を橋のように渡して絵を書く「ブリッジ・ドローイング」に、子どもたちは大喜び。普段一人で描く時よりも、自由でダイナミックな絵が描かれていきました。
 つづいて、そこで描かれた絵をもとに、画用紙で切り絵を作り、絵の描かれた紙にはりつけて、イメージ溢れる作品が出来上がりました。

事務局長交代
 灰塚アースワークプロジェクト実行委員会事務局長を勤められた和田芳治氏が12月1日をもって総領町教育長職に異動され、新事務局長には総領町町づくり推進課長を後任された三村秀雄氏が就任しました。
Zoom! ごあいさつ
 あけましておめでとうございます。区切りの2000年をみなさんと共に迎えられたことに感謝しています。  昨年12月より教育長を拝命し、《総領暮らしと自分に誇りを持ち、仕事をも創り出す人間》を育てる《総領の教育》を推進しようと歩み始めています。
 アースワークプロジェクトの事務局として、三町や建設省の関係者、そしてユニークなアーティストたちと一緒に仕事をさせていただいた五年間は、《世界に通じる灰塚地域づくり》の営みであり、まちづくりの視点から見ても最先端の営みで、より総領暮らしに誇りを持たせてもらうことになりました。
 関係地域が《アースワークの杜》として、整備され、輝くためには、サマースクールなどのソフトやこの地域にふさわしい《農場持ちアーティスト》の養成が最も大切と考えています。今後もみなさんの力を借り、《総領の教育》を展開したいと考えていますので、ご指導とご支援をよろしくお願いします。
和田芳治
Zoom!  昨年12月1日付けで町づくり推進課長を拝命いたしました。併せて灰塚アースワークプロジェクト実行委員会事務局という大変なお役を承り、その責任の重大さを痛感しております。
 アースワークについては、これまで多くの資料を拝見させていただいておりますが、芸術に疎いため十分に理解できておりません。
 力量不足でございますが、先輩諸氏はじめ皆様のご助力を仰ぎ、任務に邁進してゆく覚悟でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。
三村秀雄

事務室より
 事務室の制作主任として、平成九年度よりアースワークセンターに常駐していた山吹善彦が、ボランティアをはじめとした様々な活動を学ぶために渡英することとなり、昨年十二月をもって退職いたしました。
 一月からは布施知範が業務を引き継ぎます。どうぞよろしくお願いします。

アート INFORMATION イベント
第51回広島県美術展巡回展
1月26日〜1月30日【月曜日休館、午前10時〜午後5時】
あーとあいきさ 一般300円 高校生以下無料
吉舎小を温める会員作品展 1月13日〜2月12日
Xa104 入場無料【火曜日休館、午前10時〜午後5時】
美術館所蔵展
2月5日〜3月19日【水曜日休館、午前9時〜午後5時】
三良坂平和美術館 入場料大人300円小中高生150円

実行委員会動向
【1月4日】 実行委員会仕事初め
【1月12日】 木屋地区検討会議
【1月14日】 第3回仁賀地区整備懇談会
【1月21日】 連絡調整会議(予定)
【1月下旬】 ひまわり舞台現地打ち合わせ


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