【内容】 |
1998年2月23日、吉舎町中央公民館において、『芸術の深さについて』作家岡崎乾二郎氏による作品分析と作品の見方を教わった。
マレービッチ(ロシア)の作品展開に潜む、最新モードを作品に反映させる試みから話は始まり、そのめまぐるしく移り変わる作風が、何故なのか、それぞれの変化のバックボーンとなっている様式やモードがどのようなものであったのか、といった説明から、マレービッチの行き着いた「画面とは鏡である」という認識を前提とし、実はそれは抽象的な絵画だけの問題ではなく、カラバッジオ、水墨画やフェルメールなどにおいても把握できる問題であることが、作品分析を通じて説明された。
特にフェルメールの「信仰のアレゴリー」についての分析は、スライドをみながらの緻密な作品分析によって、かつて『批評空間』で展開された論文を生で味わうことができ、非常に贅沢な経験となった。
文章で読むものとは違った丁寧さや説明がなされ、背景やフェルメールという画家を知らない参加者にも非常に好評であった。 |