【内容】 |
5月25日、昼間に総領小学校での特別授業が行なわれた。演習課題は『スケールの問題!』で、授業時間2時限分を使って不思議な授業が行なわれた。
絵画や彫刻作品を制作する場合のサイズやスケールの把握は非常に重要となる。例えば、石膏デッサンをおこなうことで、描く石膏の大きさを把握して正確なプロポーション(立体のものを平面の絵画にしたにもかかわらず)を描写し、「見ため」それらしくみえる表現力を養う。
これに対し、アースワークでの試みとしては、技術としてこの訓練を行なうのではなく楽しみながらこのスケールに対する意識を高めていくといくことを目指す。
四つ切りや六つ切りのサイズの紙、つまり石膏デッサンの石膏を描くことではなく、描かれる紙そのもののスケールをかえるような課題を課すことで、石膏のスケールではなく支持体(紙)そのもののスケールを自在に扱えるようになれる。
具体的には、六つ切りのサイズの紙に自由に絵(抽象画)を描いてもらうのだが、六つ切りの紙に納まるように描くのではなく、むしろはみ出すこと、つまりその紙自体をとりまく空間・余白を意識して描いてあるかどうかが、一つの基準となる。また、そこで使われている色や材質の組み合わせや、描き方によってその新規性や必然性によって、ある種の評価基準が設定される。
これらの基準は複合的に組み合わされ、結果としてしか良い悪いの判断ができない。また、ちょっとしたアドバイスによって、その結果が大きく左右されるというものである。 |