@ 第4回出張アースワークスクール
授業風景
マーク&地図づくり
【日時】 1997年10月28日
【場所】 吉舎安田小学校
【講師】 岡崎乾二郎(美術家)
【内容】 10月28日吉舎町の安田小学校において、小学3、4、5、6年生を対象としたアースワークの授業がおこなわれました。
はじめに『空き地の教科書をつくる』演習をおこない、中学生同様の教科書を作ってもらいました。
その後、実際の空き地について考えてみようということで‥‥
安田小学校そば(安田の再建地脇)の空き地について考えよう!!マダムエリア内(あるいは自分の周辺)の道路を中心とした地図を作るマよく行く場所や怖い場所、楽しい場所にマークをつけよう!!マその場所が楽しいのか怖いのか、一目でわかるマークをつくってみるマそのマークを拡大して、色を塗り、大きな地図に貼りつけてみるマ道路以外の空き地にみんなのマークがつき、地図ではあるけれど広告のようにも見えるおもしろいもの(作品)ができました。
1. 場づくり
最近の美術表現の中心に、この場づくりの手法があります。例えばティラバニージャのように紙芝居の舞台をつくり、その舞台のかたちが一つの作品であり、同時にそこでおこなわれる紙芝居を一緒につくることで、単なる紙芝居にはとどまらない共同作業作品を作り上げるような手法があります。これは、日本でも同時的に行なわれており、山出淳也が昨年茨城県のアーカス構想においておこなったことも、気持ちのいい家具(道具)を子供と一緒につくるといった内容でした。
いわゆる作品ではなく、場をつくるという方法は、公共空間に自分の作ったものを作品として設置することの限界を察知した作家の窮余策といえるのかもしれません(もちろん個々の作り手は自分の作品づくりの方法からこういった手段をとっているにすぎないのでしょうが‥‥)。
この点に関しては、この取り組みではより積極的に子供達の感性や身近な材料を通じ、よりその特定な場所にマッチした公共空間づくりに取り組もうとしていることはおもしろいといえます。
2. マークづくり
マークというと簡単に思えますが、記号づくりというと途端になにか作品をつくっているような気がするぐらい、マークや記号という言葉は曖昧であり、難しいといえます。ここでつくろうとしているマークとは、例えば落書きと一言で片付けてしまうと、素晴しい美術作品を見逃してしまいます。
目的(山吹私案)
空き地の教科書づくりを通して、すぐ近くに予定されているゴガン公園についてどう考えるかの下地づくりをおこないます。次にいきなりその場所に意識を移すのではなく、もう少し広い意味での空き地、よくいく場所に意識を移行させ、地図やマークを作成することで場所に対するリアリティを持たせます。そして、作品として完成したみんなの空き地地図と、そこででき上がったマークを標識や旗といった具体的なものにしていくことで、今後の護岸公園造成、利用に結びつけます。

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