アートドリル

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■□ 演習課題1
絵画 - 額、彫刻 - 台座としたら、草花 - 植木鉢という関係が成立します。
それでは、植木鉢のことを考えてみましょう。
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境目、輪郭の問題
もし、自分が植木鉢に植えられている植物だったら、植木鉢の事をどう思っているでしょう。
「こんな狭い世界に閉じ込められてるのはイヤダ」
植木鉢だけではありません。昔から人が作るものには、いつでも境目、輪郭がありました。家には壁や柵があり、絵には額縁があり、彫刻には台座がある。
そして植木鉢の中の植物のように、金魚鉢の中の金魚のように、芸術家や建築家たちも、こんな物で閉じ込められているのはイヤダ、となんとか壁をこわし、額縁をなくし、台座をなくし、もっと広々と世界に自分の住む場所を開放しようと、試みてきました。
境界の内側の世界を外側の世界の影響から守る
制作風景
制作風景
額縁の中にあったり、台座の上に置くと、どんなササイな、どうでもよさそうなものでも、エライ芸術に見えてしまうものです。しかし額縁をはずし、台座をはずしてしまい、当然広く、開放された世間の中に出てしまうと、どこからどこまで芸術なのか日常なのかゴミなのか、わからなくなってしまうということも起こります。
額縁や台座は、世間の雑多なものが影響してくることから、見せようと思う、よくいえば、とてもデリケートで繊細なものを守り、いつも同じ状態に保護しておく働きがあるということです。
つまり境界の内側の世界を外側の世界の影響から守る。
これは家でも植木鉢でも同じでしょう。特にその内側の世界に対して外側がまったく異質な場合(宇宙空間や海中、外国や盛り場?)。こんな保護膜も必要です。
逆にもし、それが丈夫な境界としてできていれば、宇宙船や潜水艦のように、額縁や家や台座や植木鉢は、どこにでも移動(持ち運び)できるものにもなりえます。
技法講座
発砲ウレタンハード20倍型
収縮が小さく、粘度の低い発砲倍率の高い二液性発砲ウレタンです。10〜20倍に発砲するため、比重が小さく、使用材料も少なくコストも低減できます。
技法講座
計量
主剤(A剤)と硬化剤(B液)の計量を行ないます。
1:1となるように、目盛などをうって行なうと確実です。
技法講座
混合・撹拌
同量の主剤、硬化剤を混ぜ合わせ、よく撹拌します。
しばらくすると固くなってきます。
技法講座
発砲・形状づくり
混合・撹拌の途中から、発砲が始まります。注入したり、形をつなぎ合わせる部分に垂らしていきます。
技法講座
完成
いったん発砲したウレタンは、削ったり切ったりできます。必要に応じて形をつくりだしてみてください。
技法講座
■ 発砲ウレタンお問い合わせ
 国際ケミカル株式会社 〒244-0002 横浜市戸塚区矢部町2280 Tel045-811-1028 Fax045-811-5431
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世界と世界のつなぎ方
演習風景
演習風景
芸術作品であろうと植木鉢であろうと、ともかくこの内側を守りつつ、外側にいかに開放していくか、という問題では同じです。
よくできた敷居、境界はいま、ここにいながら、いまだない、どこかよその場所を結びつけるものです。「あ、こんなところがあったんだ」「ここはどこだろう」「いつかどこかで見たことがあるような」
今回は植木鉢にたくさん穴を開けたり、壊したり、そのカケラをつなぎなおしたりして、まったくいままでにないような、面白くて不思議な、世界と世界のつなぎかた、結び付けかたを考えてみましょう。
二つの世界はどう離され結びつけられるか。
できた植木鉢を、それが一番よく似合う、風景の中に埋め込んで見ましょう。かけらの隙間から、新しいヤリ取りが始まるように。
参加者作品展示
授業の最後には、参加者全員の作品を並べ、各自2票づつもっとも気に入った作品に投票していった。
つくるだけでなく、みることで発見することも多かった。
参加者作品 参加者作品
参加者作品 参加者作品


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