Workshop 1995
Guest Artist: Gil PERCAL
ギル・パーカルWIDTH=224
.

image

ブルーライン/危険水位の計測
  灰塚の敷地を訪れた初日、私は2台の冷酷なブルドーザーが小さな家を解体しはじめるのを目にした。翌日まっさらになった土地だけが、土台の面影を残してそこにはあった。今まで多くの家々がこの運命をたどり、そして他の家々も同じ道たどることだろう。
全ての家には1つの共通した特徴がある。みな251.00メートルという宣告された水位の下に位置するのである。
このレベルは、統計上100年に1度の割合で繰り返すとされる洪水に対応してつくられるダムの最高水位として計画者によって定められたものである。その水位は青い線(ブルーライン)で平面図に記されている。このダムの建設計画を住民に知らせようとする運動は数多く行われてきているが、このブルーラインはいまだこのような抽象的な存在としてしか理解されていない。
image   image
  今回のプロジェクトのねらいは、非物質的手段 - レーザー光線によって、このブルーラインを表現しようとしたものである。
谷間をくまなく飛びかう青いレーザー光線はの使用は、最高水位を面白く捉えられるだろうし、毎晩きたるべき大災害の疑似的演出を創造するだろう。
  現状では、光の平面は地上50メートルから3メートルの高さを飛ぶことになる(地形の高低差の関係で)。ダム建設終了後、貯水湖の平常時水位は231.00メートルとなり、らレーザー光線は水面に平行に20メートルの高さを走ることになる。谷を走るこのメタフィジカルな(隠喩的な)青いジグザグとその壮観なながめは、訪れる人や旅人をこの純粋な自然環境とその中でのユニークなハイテクショーへと魅きつけることだろう。
 - 技術的特徴
  光線源は、ダムの堤体の頂上に設置される(ダムが完成するまでの間は山の斜面に設置することになる)。強力な青いレーザー光線は谷間を251.00メートルの高さを維持しながら、水平に送られていく。まがりくねる川岸に沿って、ジグザグに進むその光線を反射する鏡(ターゲット)はあらかじめ計算された場所におかれる設置される。
分岐点ではプリズムによって光線が別れる分かて送り困れる込まれ、谷と共棲する。
終着点では適当な高さで公園を止めるように特殊な受信装置(反射しない)を設置し地上レベルとの接近からくる危険な事故を防ぐようにする。
(訳文:松本晶子)


CONTENTS  PREV NEXT