− はじめに −
灰塚アースワークプロジェクトは、広島県内の三良坂、吉舎、総領の３町にまたがる広大なエリアで、自然と文化の調和した魅力ある環境を作る試みとして、1994年から活動を始めました。 　地域振興、景観整備、自然保全、芸術文化育成、情報発信、内外との交流など、活動の内容と目的は多彩です。ダム周辺環境整備に関わる住民たちと芸術家、建築家の共同作業による提案づくりを含めた、ユニークで拡がりのある文化活動のプロセス全体は、すでに地元住民への浸透にとどまらず、広く県、国、芸術文化関係機関などの広い関心と評価を集めるに至っています。 　1994年以来毎年、美術・建築の作家や学生たちの参加により行ってまいりましたサマーキャンプは、環境と文化の結びつきを試みる、この活動の中心的な催しです。
灰塚アースワークプロジェクトは今、この地域が直面している過疎、高齢化への対応や、ダム建設にともなう自然環境の激変を乗り越える、柔軟性と強さをもった環境づくり、人のネットワークづくりを、地域に特定されない普遍的な拡がりをもった文化芸術活動を通して実現しようと目指しています。 　その一環として、この夏は、８月末から９月初頭にかけて、灰塚地域全体を使った広域の芸術イベント「アートスフィア灰塚 '98」が開催されました。 　「アートスフィア灰塚 '98」を通し、より多くの方に、アースワークの活動に触れ、そのプロセスに参加していただけることを願っています。
灰塚アースワークプロジェクト実行委員会