*** 8・30「地灸」+「大文字焼」 ***
 現在、住民の移転が終了した三良坂町灰塚地区は高水敷として残され、積極的な景観対策、有効利用ができていません。建造物のない広大な敷地は、様々な活動に利用可能な大きな可能性を秘めています。
 そこで本年夏、アースワークプロジェクトにおいて継続されている『地灸』(大地にお灸をすえるという試み)と、湖畔の森ロッジ周辺から見下ろして鑑賞できる『大文字焼』を同時開催することで、この広大な敷地を有効に利用し、灰塚発の話題づくりと地元地域振興に役立てようとしています。
 白い煙の海をつくりだし、あたかも生物が誕生するかのように、草花や土壌、歴史や思いを再生する試みとします。
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 灰塚ダム建設により移転が終了している場所で、展望台のある丘の上から見ることができる試みとして「地灸」と「大文字焼」は順番に実施されました。  煙の海、燃え上がる炎、そして静かに夏の過ぎ行くのを送るような送り火が実現しました。
■ 場所
 □ 三良坂町土森・砂田地区周辺
  (三良坂、総領線ぞい、のぞみが丘そば)
■ スケジュール
 □ 1998年8月30日(日)  
  PM 4:30〜6:30− 『地灸』/鑑賞者ともども点火
PM 7:00− のぞみが丘の子どもたちによるアトラクション
(たいまつを持ち、宝【花火】探しを行う。自動車による照明)
PM 7:30− 点火(大文字の文字が、時間の経過とともに変化していく)
■ 企画意図
 □ 『地灸』
(1) その場所にあるもの(草)にわずかに手を加えることで、別の何か(お灸)を表現するという行為を通じて、「その場所」の持つ可能性を引き出す。
(2) ダム水没エリアという変わりゆく土地(自然)に対し、「お灸」というストレスを癒す行為とすることで、この作業に関わる人々に自然との意識的な交わりを促す。
地灸
 □ 『大文字焼』
(1) 広い空間で大きな字を焼くというのは、ダム湖のスケール感をダイレクトに実感することができる表現方法である。
(2) 字による表現は、その字自体によって見るものに何かを伝えることが可能で、それによって意味づけができる。同時に、その点火の方法や変化の様子によって新たな魅力づけが可能である。
■ 『地灸』実制作担当チーフ
 □ 小田 貴史
1972年 神戸生まれ、京都造形芸術大学デザイン科卒
現在、設計会社勤務
1995年度サマーキャンプ参加以来、ワークショップでの助手作業、アースワークスクールでの手伝いなど様々な局面で協力をしてもらう