雑草
■□ 共通テーマ:雑草
雑草 アートスフィア灰塚は、灰塚アースワークプロジェクトの一環として開催されるものです。1995年からソフト事業として開催されてまいりました、サマーキャンプ、ワークショップなどを、教育普及的な活動、展示を中心とした活動、作家が滞在型の活動などを明確に位置づけて再編し、活動全体を通じて「環境美術圏づくり」が進んでいくようにプログラムされています。
これまでの活動では、地域特性・社会状況を読み込むといった漠然とした方法を中心としていましたが、本年からは更に共通する全体テーマを設け、このテーマの解釈や適応を、個々の活動に委ねることとします。全ての活動が全体テーマで位置づけられるというテーマ設定ではなく、問題提起の一つとして全体のテーマを設定することで、プロジェクトで行っている内容がより伝わりやすくなり、同時に参加したりテーマに基づいた意見交換が可能となること、つまりそのテーマに関する解釈や適応の仕方、応用したり展開したりできる可能性を拡げることに重きをおいています。
この全体テーマのもと、教育普及を中心とした「サマーキャンプ」に関しては、年間を通して内部向けに実施されているアースワークスクールを外部向けに行う活動と位置づけ、より高度な制作表現活動を展開する「場」とします。各講師の方々に、全体テーマに即した演習内容を用意してもらい、当該エリアを活用できる実践的な演習が行われます。
雑草 作品ホームステイについては、各町の一般家庭及び主要な公共施設などに、作品を借り受け展示することで、作品として鑑賞されるだけにとどまらず、地域全体の発見や町めぐりを楽しむことを可能としています。全体テーマの反映方法については、作品選定・実際の展示などにともなう活動を通じて構成され開示されます。
アーティストインレジデンス事業は、国内外からの芸術家を受け入れ、一定期間滞在して、自らの作品制作を行ってもらう事業です。町に滞在し、制作活動をしていることで、その存在そのものが地元地域に対し刺激となり、様々な立場での交流が果たせるように、各種のイベントも開催されます。この実施にあたって、選考委員会により全体テーマを考慮した作家選考を行います。選考された作家側には、作品制作に直接的な影響を与えない範囲で、テーマを意識してもらうこととします。それぞれの作家によるテーマの解釈や作品制作における関連事項などを提示してもらうことで、作品を見たり、理解するきっかけとなり、テーマとして設定している事柄の概念を拡げることを可能とします。
これらの全体フレームにもとづき、中心テーマとして本年度の全体テーマを『雑草』とします。このテーマ設定につきましては、これまで5年間の活動を通じて、表層的に問題意識を持つことを可能とし、同時に深層部分で概念の幅を拡げることができることなどから提起され、実行委員会総会(5/25)で協議決定されています。
現段階で想定されているテーマ『雑草』に関する解釈の幅を拡げたり、テーマがあることで活動をより理解しやすくしたり、各作品をみるときの一つの補助線のように利用できるように準備していきます。


■   ← →