地灸の作り方 Chapter01: はじめに |
灰塚アースワークプロジェクト 実制作担当チーフ:小 田 貴 史 |
「地灸」は「大地にお灸をすえる」考えから生まれたインスタレーション(野外の仮設展示物、そこの土地を意識した作品)です。1996年から毎年行われるようになりました。 ダム建設で休耕地になってしまった土地の草を集めてお灸を作って、地元の方とキャンプの参加者が一斉に点火して完成します。点火されたひとつひとつのお灸からは白い煙がもくもくと立ちあがって、山の谷間や木々の間にけむりがながれこんで、あたり一面が白いカーテンをいくつも重ねたような幻想的な景色ができあがります。草から煙を出す単純な出来事なのに、みなさんは真っ白になった地灸の廻りを歩き回ったり、遠くで煙の様子を眺めたり、一所懸命に濃い煙を出そうとしたりと今までは気に留めてもらえなかった場所が楽しむところに変わりました。集めた草たちはそこにあった草たちですから、隣のお灸では出る煙の匂いや燃え上がりからがまちまちなのも魅力と思っています。「地灸」は、畑〜休耕地〜再生のメッセージと新しいことを生むことの痛みと治療、これから別の役割を背負ってもらう応援の意味が込められているのです。 |
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