地灸の作り方
Chapter06:  終わりに
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地灸 灰塚アースワークプロジェクト
実制作担当チーフ:小 田 貴 史

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毎年思うことなのですが、草を刈るときに業者や役場の方と一緒に作業をしています。「地灸」の行われる場所はだいたい草が2メートル以上も生い茂り、蛇は出るわ、虫にかまれるわのおしゃれなんて構ってられない場所にいつも放り込まれます。
これだけの広い敷地を「自由に使っていいよ。」と言われてもそう簡単に思いつかないし、一人では何もできないのですが、「地灸」はいい。草をひたすら切って行くだけ。でも、このただ刈るだけがなかなかやり出すと面白い。同じ作業の繰り返しの達成感なのかしら。前の畑のあとを見つけたり、他で刈られた草を見つけるともう、勿体なくて欲しくなる。意外とあきない。
灰塚にはいろんなプロフェッショナルがいます。トラクター・トラックの運転プロ、草刈り機のプロ。そう、あの歩くように進む手際の良さ。驚きよりものろまな自分と置き去りにして、機械音勇ましく茂みにずんずん消えていっていく。業者の技の落差にはもう笑うしかない。自分の刈った茎の残ったでこぼこが恥ずかしい。毎年「へたじゃのう。」とか言われて・・・。それから役場のみなさんの底なしの体力も生き物のように動くユンボも灰塚の現代美術の講義と同じくらいな私の魅力です。そして、この場をおかりし、ありがとうございました。また今度ものろのろする私を許してください。
最後に、このテキストは誰でも「地灸」を作れるように心がけました。参考にしていただくと幸いです。
制作者 小 田  貴 史 

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End!!